お金を借りると肩身が狭くなる

親しい間柄でも、身内や家族でも、お金の貸し借りには特別な雰囲気が生じます。以前、私が父親から借金をした時も、それを実感いたしました。

 

私は二十代の独身時代に、父から百万円を借りました。それは当時の私にとっては、目の玉が飛び出るほどの大金でした。返済方法は毎月二万五千円ずつ、四十か月間に渡って返すという約束をしました。

 

それは結構きつい返済でしたが、仕方がありません。何しろ大金を借りたのですから、できる限り父の希望通りの返済にせざるを得ませんでした。

 

しかし、毎月の返済以上にきつかったのが、父や母、それに家族たちの態度でした。それは要するに借金の日以来、「いい年をした社会人のクセに、安易に親から借金などをするとはけしからん」というような目で、ずっと見られ続けたということでした。

 

確かに百万円の借金の理由は、私自身の不甲斐なさが原因のものでした。ですから、そのことについては何を言われようとも反論はできませんでした。

 

しかし、それにしても家族の中で借金を背負うということは、何とも言えず肩身の狭いものでした。それは半分は私の思い過ごしなのかも知れませんが、もう半分は、以前よりは居心地が悪くなったのは確かです。